この記事の要点
- 回内・回外と球筋を結びつける説明は、指導現場の経験則です。
- 2011年の研究は手の向きと回転軸の関係を示したもので、タイプ分けではありません。
- このサイトは腕の使い方を判定しません。球筋はCLOVERが計測と動画で確かめます。
「回内・回外」は、指導現場の経験則
回内(かいない)・回外(かいがい)は、もともと前腕の回り方を表す、解剖学の言葉です。野球の指導現場では、この言葉を球筋の説明に使うことがあります。
たとえば、シュート気味のストレートを「回内寄りのリリース」と結びつけて説明することがあります。カット気味のストレートは、「回外寄りのリリース」と結びつけられることがあります。
リリースの手の向きは、ボールの回転の向きに関わると考えられています。そのため、手の動きの言葉で球筋を説明すると、伝わりやすい場面があるとされます。
ただし、これらは多くの投手を見てきた指導者の経験則とされ、研究で裏づけられた分類ではありません。同じ言葉でも、指導者によって指している動きが違うことがあります。
研究が示していること
背景として、日本の研究者らが2011年に発表した研究があります。投手19人を対象に、ストレートの回転軸と手の向きの関係を調べたものです。
この研究では、ストレートの回転軸の向きが、ボールが離れる直前の手の向きと関係していることが示されました。
ただし、この研究は投手をタイプに分けたものではなく、手の向きと回転軸の関係を示したものです。また、ひとつの研究の結果を、すべての投手にそのまま当てはめることはできません。研究の結果は、対象になった投手や計測の方法によって、読み取れる範囲が決まります。
経験則と研究は、似た話に見えても、根拠の種類が違います。このサイトでは両者を分けて書き、この研究は背景の知識として紹介しています。
このサイトは、腕の使い方を判定しない
このサイトは、あなたの腕の使い方を判定しません。球筋チェックは、答えから球筋の傾向を読み、試す候補の握りを並べる機能です。結果に出るシュート型やカット型も、ボールの動き方につけた名前です。
同じ球筋でも、その理由をどこに見るかは、指導者によって分かれます。握り、腕の角度、体の使い方、縫い目の向きなど、手がかりはいくつもあります。球筋を生む理由は、ひとつに決めきれないことが多いとされます。
そのため、画面の質問への答えだけで、腕の動きを言い当てることはできません。「回内寄り」「回外寄り」という言葉も、人を分ける名札としては使いません。握りのページの「この握りが候補になりやすい球筋」も、球筋の言葉だけで書いています。
計測と動画で、個性として確かめる
CLOVERでは、ラプソードで回転方向や回転効率を測り、動画でリリースやボールの動きを見返します。そのうえで、どの握りを試す候補にするかを、指導者と一緒に考えます。計測の画面と動画を並べると、選手と指導者が同じものを見ながら話せます。
言葉の印象より先に、ボールの実際の動きを見ることを大切にしています。球筋は、成長や握りの慣れとともに変わる場合があります。そのときどきの球を測って見返すと、変化にも気づきやすくなります。気になる言葉を言われたときは、計測の画面を見ながら、指導者にその意味を聞いてみてください。
シュート気味のストレートも、カット気味のストレートも、そのボールが持つ個性です。柳は緑、花は紅。柳と花がそれぞれの色で景色をつくるように、球筋にも、その人ならではの持ち味があります。
参考資料
このページの文章と図は、CLOVERが一般的な投球の知識をもとに独自に作成したものです。外部資料の文章・画像・数値は転載していません。
MEASURE YOUR BALL
あなたの球で、確かめる。
回転方向、回転効率、変化量。計測すると、このチェックの“答え合わせ”ができます。