この記事の要点
- 数値の大小より、自分のストレートとの差で見ます。
- 回転効率は、回転のうち変化に効く割合です。低くても悪い球とは限りません。
- ひとつの球だけで決めず、同じ条件で投げた球を並べて比べます。
比べる相手は、自分のストレート
新しい握りを試すとき、ラプソードの数値だけを見ても、その握りらしさは分かりにくいものです。このページでは数値の目標は示さず、自分のストレートとの差を見る方法をまとめます。
最初に見るのは、ストレートとの球速差です。球速差は、打者のタイミングを外す手がかりになると言われます。チェンジアップ系やカーブ系は球速差そのものが持ち味とされ、カットボール系はストレートに近い速さが持ち味とされます。
比べるときは、同じ日、同じ場所など、条件をそろえます。その日のストレートも一緒に測っておくと、差が読みやすくなります。フォーシームは、ほかの握りと比べるときの基準になる握りです。
回転数と、回転効率
回転数は、ボールが1分間あたりに何回まわるかを表す、回転の速さの指標です。ただし回転数が多くても、その回転がすべて変化に効くとは限りません。回転数は球速などでも変わるため、人と比べるより、自分のストレートと並べるほうが読みやすいとされます。
回転効率は、回転のうち、変化に効く回転の割合です。残りは進む向きを軸にしたジャイロ回転で、変化にはほとんど効きません。
同じ回転数でも、回転効率が高いほど、変化は大きくなります。サークルチェンジは回転効率が高めに、スプリットは低めになりやすい握りとされます。フォーシームでは、回転効率が高いほど、縦に伸びるような見え方になりやすいとされます。
回転効率が低い握りにも、速さを保ったまま落とすといった狙いがあるとされます。握りの狙いによって、回転効率の受け止め方は変わります。
回転方向と、縦・横の変化量
回転方向は回転の向きを時計の時刻で表す指標で、読み方は「回転方向(時計)の読み方」で説明しています。握りを変えたとき、時刻がストレートからどれだけ動いたかを見ます。
縦の変化量と横の変化量は、回転によって生まれた変化の大きさです。Rapsodo の資料では、回転がなかったと仮定した軌道と比べた差として説明されています。
一方、打者から見える軌道全体の変化には、重力による落下も含まれます。そのため縦の変化量が近くても、球速が遅い球ほど、目には大きく落ちて見えます。
握りを試すときの変化量は、自分のストレートとの縦の差、横の差として見ると、その握りらしさが分かりやすくなります。Rapsodo の資料では、左投げの横の変化量は、プラスとマイナスが右投げと逆になるとされます。利き腕側か反対側かに置き換えて読むと、混乱しにくくなります。
リリースのそろい方と、比べ方
ラプソードの機種や設定によっては、リリースの高さや横の位置も確認できます。新しい握りでリリースが変わると、変化の違いが握りによるものか、分かりにくくなります。リリースの違いは良し悪しではなく、変化を読むときの前提として押さえておく情報です。
ひとつの球だけで判断せず、同じ条件で投げた複数の球を並べて見ます。そろっているか、ばらついているかも、その握りを知る大事な手がかりです。慣れない握りでは、ばらつきが出やすいとされます。
見る指標は、握りの狙いに近いものから選ぶと整理しやすくなります。たとえばサークルチェンジなら球速差と横の変化量、スプリットなら縦の変化量と回転数です。
数値の受け止め方は、投手によって違います。計測の画面と動画を並べて、指導者と一緒に確かめましょう。
関係する握り
参考資料
Rapsodo|The Ultimate Guide to Baselines and Benchmarking with Rapsodo(2026)
Rapsodo Japan|ラプソード計測データ解説③「回転軸(回転方向・ジャイロの角度)・回転効率」(2024)
Rapsodo Japan|ラプソード計測データ解説④「変化量」(2024)
このページの文章と図は、CLOVERが一般的な投球の知識をもとに独自に作成したものです。外部資料の文章・画像・数値は転載していません。
MEASURE YOUR BALL
あなたの球で、確かめる。
回転方向、回転効率、変化量。計測すると、このチェックの“答え合わせ”ができます。